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【過去記事】
1過去の過ちを思い出した

2優しさの塊のようなひと

3都合よく流れてよかった、なんて
4いちおう、付き合っていた人について
5本命の女がいる予感
6自尊心を満たすためだけに
7胸騒ぎ、女の勘が当たる日
8左手の薬指
9『あいみ』って誰?
10すべてが明らかになる時
11衝撃的すぎて壮大なネタかと
12さびしいはなしや
13決着をつけよう
14これ以上惨めにしないで
15追い詰められてハイになる
16ふたりの全てをなかったことに
17彼は良心を痛めたようだ
18お前がなんで感情的になるねん
19ドン引き、パニック、ひとり遊び
20最後のおやすみ
21晃司さんとさようなら
22優男さんとさよならしなきゃ
23さよならを拒否される
24強引に会おうとしないで
25結局会って話をすることに
26張りつめてたものが折れそうで
27崩壊、の、はじまり
28付き合ってもいない男の部屋へ
29号泣
30汚い女
31晃司さんとのことから一週間後にはもう
32みじめな気持ち、再び
33どこまでも不純
34ハプニング
35優男さんのご両親
36好きになる努力
37さようならの切り出し方
38決定的なヒトコト




優男「僕、少しは、葉月さんも僕のこと好いてくれてると思ってた。だから、男女の関係にも……」


ごめんなさいとしか、返す言葉がなかった。


優男「そっか……そやんな」


優男さんは独り言のようにつぶやいて、右手を上げた。


わたし、とっさに怒鳴られる、または、殴られる、なんて身構えた。でも、優男さんはおでこに手を当てて、まっすぐ前を見ただけやった。


優男「僕が無理矢理引き留めたようなもんやし……やったら仕方ないわな。言ってくれてありがとう」


どこまでも優男さんは優しかった。







優男さんはわたしを拾ってくれたコンビニまで送ってくれた。


最後、わたしは優男さんの顔を見た。うつろな表情をしてた。わたしの顔を見ることはなかった。


それが優男さんを見た最後。


最後まで、優男さんがわたしに怒るようなことはなかった。







それからすぐ、わたしは胸元まであった髪をばっさり切って、ボブにした。


そうして3ヶ月ほど経ったころやろうか。残業をした帰りの電車、改札を出たところでふとスマホを見ると、メッセージが届いてた。


優男『久しぶり、突然ごめん。髪、切った?さっき、たぶん同じ車両に乗ってた。元気そうでよかった』


全然気づかなかった。


何か返事をしたけどそれっきり……優男さんから連絡が来ることはなかった。







ほんとう、わたしのごたごたに巻き込んで申し訳ない……。今ごろ、どうか幸せになっててほしい。