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【過去記事】
1過去の過ちを思い出した

2優しさの塊のようなひと

3都合よく流れてよかった、なんて
4いちおう、付き合っていた人について
5本命の女がいる予感
6自尊心を満たすためだけに
7胸騒ぎ、女の勘が当たる日
8左手の薬指
9『あいみ』って誰?
10すべてが明らかになる時
11衝撃的すぎて壮大なネタかと
12さびしいはなしや
13決着をつけよう
14これ以上惨めにしないで
15追い詰められてハイになる
16ふたりの全てをなかったことに
17彼は良心を痛めたようだ
18お前がなんで感情的になるねん
19ドン引き、パニック、ひとり遊び
20最後のおやすみ
21晃司さんとさようなら
22優男さんとさよならしなきゃ
23さよならを拒否される
24強引に会おうとしないで
25結局会って話をすることに
26張りつめてたものが折れそうで




その後……あまり記憶がないんやけれども。優男さんは突然の提案に戸惑いながらも、快くOKしてくれた。


自分に好意を寄せている男の部屋に上がり込むなんて何があっても文句言えへんことは重々わかってた。でも、優男さんは絶対に変なことはせえへんって、変な自信があった。







わたしはこの時まだ、一人暮らしの男の家に入った経験がほとんどなかった。3人目くらいか。


優男さんのおうちは、想像してた以上に広かった。こどもがいる家族が入居するほどの大きさのアパート。6畳?8畳?くらいの台所と、あとふたつ、部屋があった。


わたしはリビングに通された。リビングといってもばーんとベッドがあった。奥の部屋は収納やらに使っているだけで、リビングと台所とで生活してるそう。


優男「来客もないし、ちらかってるけど……」


なんて、なんやらかんやらをのけたり元あった場所にもどしたりしながらも、優男さんはどこか嬉しそうやった。


とは言え、無駄なもののない、スッキリとしたおうちやった。リビングは白とベージュで統一されてて、なんとも言えない柔らかい雰囲気……優男さんらしいと思った。それから余談、夜やのになんか眩しかったってことを覚えてる。白って光をあんなに跳ね返すものなんやね。


優男「ふぅ……っと、座って」


落ち着きなく、でも、嬉しそうなままに、優男さんは言った。わたしはベッドの向かい側、部屋の隅、机の手前の床に座った。


葉月「お陰で寒くなくなった、ありがとう」「上がり込んどんといて何やけど……」


話は車中と同じ、堂々巡り。でも、わたしの良心はだんだん、ラクな方に流れてしまいそうやった。


頭の隅で、こんなに自分を想ってくれる人がいるなんてって、自尊心が癒されるような思いもあったし……それから、ほんとうにひどいけど……こんなに想ってくれるのが何で優男さんなんやろう、何でわたしが惹かれるようなひとじゃないんやろうって、思ってた。




▽次の日記
29号泣