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【過去記事】
1過去の過ちを思い出した

2優しさの塊のようなひと

3都合よく流れてよかった、なんて
4いちおう、付き合っていた人について
5本命の女がいる予感
6自尊心を満たすためだけに
7胸騒ぎ、女の勘が当たる日
8左手の薬指
9『あいみ』って誰?
10すべてが明らかになる時
11衝撃的すぎて壮大なネタかと
12さびしいはなしや
13決着をつけよう
14これ以上惨めにしないで
15追い詰められてハイになる
16ふたりの全てをなかったことに
17彼は良心を痛めたようだ
18お前がなんで感情的になるねん
19ドン引き、パニック、ひとり遊び
20最後のおやすみ
21晃司さんとさようなら
22優男さんとさよならしなきゃ
23さよならを拒否される
24強引に会おうとしないで
25結局会って話をすることに
26張りつめてたものが折れそうで




葉月「何もないって、なんでそんな引き止めるん。わたしみたいな子他にいっぱいおるやん」
優男「おらんよ!」
葉月「おらんって思ってるだけでぜったいおるやん、30人に1人はおるわ」
優男「おらんって」
葉月「婚活パーティー行ってみーや、まだ1、2回しか行ったことないんやろ。おるから」
優男「連絡したり、会ったり、ご飯食べたり、葉月さんとしか経験してないこといっぱいあるもん」


暖簾に腕押しとはこのこと……って具合にちぐはぐした会話が続いた。


ってか話しているうちに、何について話していたのかも忘れてってしまった。わたしはとにかくさようならがしたい、優男さんはそれはいやだ、ってところは変わらんかったけど。


葉月「寒い」
優男「ごめん」
葉月「帰る」
優男「でも話が……」


3月下旬、車内はすっかり冷えてしまってた。


葉月「あかんの」
優男「今さよならしたらもう会ってくれへんやろ?」
葉月「うん」
優男「うーん……」


前夜、ほとんど寝てないのもあって、わたし、だんだんだるくなってきてしまった。


ピンと張り詰めていたものも、意思も、良心も、だんだん……ただただ面倒で、それから……。


葉月「家、あかんの?」


なんであんなこと言ったのか、今となってはほんまわからへん。でもたぶん……優男さんの優しさに甘えてたかったんやと思うわ。




▽次の日記
28付き合ってもいない男の部屋へ