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【過去記事】
1過去の過ちを思い出した

2優しさの塊のようなひと

3都合よく流れてよかった、なんて
4いちおう、付き合っていた人について
5本命の女がいる予感
6自尊心を満たすためだけに
7胸騒ぎ、女の勘が当たる日
8左手の薬指
9『あいみ』って誰?
10すべてが明らかになる時
11衝撃的すぎて壮大なネタかと
12さびしいはなしや
13決着をつけよう
14これ以上惨めにしないで
15追い詰められてハイになる
16ふたりの全てをなかったことに
17彼は良心を痛めたようだ
18お前がなんで感情的になるねん
19ドン引き、パニック、ひとり遊び
20最後のおやすみ




眠ってたと思う。


短く、浅く。


目を開けていっしゅん、自分がどこにいるのかわからなかった。


あぁ、いつものホテルか。


晃司さんがいる。


席次表のこと……あぁ、夢やなかったのか。


身の置かれている状況を把握するとともに、胸の痛みに襲われた。足の震えは止まってた。


晃司さんは相変わらず、椅子に座ってた。わたしの気配を感じてか、ちらりとこっちを見た。


スマホを見た。


朝の5時半、電車はもう動いてる。


わたしは起き上がって、鏡の前で髪や服、最低限の身なりを整えてコートを着た。


葉月「じゃあね」


自然と笑顔になった。特別、晃司さんに何かを感じてのことではなく、反射的な理由で。


晃司「……うん、今まで……ありがとう」


何を綺麗な終わり方にしてんのやろうって心の中でだけつっこんで、部屋を出た。


……ら、お会計をしないと出られないシステムやったので、すぐに戻って受付に電話をしてもらい、晃司さんを残してわたしだけ、ようやっと部屋を出ることができた。


こんな時に限ってこうやってドジをしてしまうところがまぁなんとも自分らしくて嫌になる。



▽次の日記
22優男さんとさよならしなきゃ