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【過去記事】
1過去の過ちを思い出した

2優しさの塊のようなひと

3都合よく流れてよかった、なんて
4いちおう、付き合っていた人について
5本命の女がいる予感
6自尊心を満たすためだけに
7胸騒ぎ、女の勘が当たる日
8左手の薬指





ごはんを食べ終えて、それで……帰りたくなくなった。晃司さんに恋心を抱いたりしているわけではなかったけれど、でも、一瞬にいて楽しいのは確かやから。


帰りたくない、ってのは晃司さんも同じやったようで。


晃司「帰るの?」
葉月「もうちょっと」
晃司「明日、昼には帰らないといけないけど」
葉月「うん」


つながりがないような会話をしながら必要最低限のことを確認し……いつものことやし……そして、晃司さんにエスコートされつつ、いつものホテルへと向かった。


部屋に着いて、2時間、3時間……品のない話やけれど、晃司さんとはとても合った。合うからこそ、つい、いつも時間がかかる。でもこの日は岩盤浴で身体をきれいにしていたから、スムーズにことはすすんだ。


ただ、これまではその名の通り、一晩中ことに及んだり(何をしていたのか今となっては謎)(変な趣味はない、はず)していたけれど、この日はあっさりすすんでった。


そして、わたし、見てしまったんや。


あのひとが最後を迎えそうになっていた時、いつもと違って顔が見えへんかった。(中では感じられないのでわたしはこの時とっても冷静)。晃司さんの顔をふと見ると、目をぎゅっとつぶって……


口もとが動いた。


『あいみ』って……。


声はなかったけれど、そう、動いたように見えた。


ほぼ同時に、晃司さんが果てた。


血の気が引いた。わたしの本名ではないし、別の言葉かもしれないと考えたけど……女の名としか思えなくて……。




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