★ランキングに参加しています★
【過去記事】
1 まさかのこんな場所でも、出会いはあったねん! 
2 おじいさんたちの趣味:若人の出会いの仲介役?!
3 見知らぬ番号からの着信から始まった
4 『青年』を紹介される
5 占い師さんに男を紹介してもらう日
6 初対面、ハナから憂鬱……
7 幼い頃からブスと言われて育ってきたから
8 相手と、仲人さん(?)と、サイゼリアで
9 パパッとさばいて帰りたい時に限って何かごちゃごちゃする






どうにかしておじいさんに、繊維のことは『好みではない、お断りしたい』という意思を伝え、話が深くならないうちにおいとましたいと、私は機会をうかがってた。


あまり深いことは話したくないので、私はさっそくおじいさんに話しかけた。 こないだの電話で、体調がよろしくなかったって言っててちょっと心配やったし。


といっても、繊維に罪はなにもないしあからさまにイヤな気持ちにさせてはいけないと思ったので、繊維も巻き込んで、おじいさんの体調のことを3人で話してた。(でも主にしゃべってた割合は、私6、おじいさん3.9、繊維0.1くらい……)


店員さんが3人分のドリンクバーのコップを持って来てくれるまで、ずっと、そんな感じやった。私たちの席からバーカウンターまでは少し距離があってね、おじいさんは、席で待っているからふたりだけ、先に好きな飲み物入れといで、と、気を遣ってくれた。


すぐに席を立ち、ドリンクバーのコーナーへと向かう繊維。


……今しかない!

 
葉月「すみません、あの人、ちょっと、違う!」


繊維が背中を向けていることを確認してから、私はおじいさんに小声とジェスチャーとで訴えた。おじいさんはほうほうと頭を縦に振って、言った。


爺「わかった、任せとき。でもごめんな、先方にも葉月さんのことを紹介すると言っているから、もうすこし辛抱してな」 
葉月「いいえ、せっかくの機会やのに、ごめんなさい」


せっかく紹介してくれたおじいさんに対して、ちょっと悪いなぁとは思ったけど……いややねんもん。