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【過去記事】
1 まさかのこんな場所でも、出会いはあったねん!
2 おじいさんたちの趣味:若人の出会いの仲介役?!
3 見知らぬ番号からの着信から始まった
4 『青年』を紹介される
5 占い師さんに男を紹介してもらう日
6 初対面、ハナから憂鬱……






葉月「よろしくお願いします(^^)」
繊維「よろしくお願いします」


ブスから愛嬌をとると悲惨だというのをネットで読み、あと親戚のおっちゃん達にも言われてきたので、私は思春期あたりから誰にでも愛想よくしようと努めるようになり、すっかり板についてしまっている。(改めて文字にすると心が痛む)


やし、繊維さんにも笑顔であいさつしたんやけど。繊維さんは顔の筋肉のすべてに力が入っていないような、まさに漢字のまま、『無』の表情で言った。


ハズレややっべ~とでも思っているのだろうか。お互い様やぞ。……なんて思いながらもちょっと切なくなった。←




どうして紹介してもらうに至ったのかなど、しばらく3人で話をした。繊維くんも私と同じパターンで、普段はしないがたまたま通りがかって占いをしたことがきっかけなんだそう。おじいさんは「趣味みたいなもんや」と言った。


どうやら、繊維くんと私との相性が良いから紹介した、とかいうわけではないらしい。ほんとうに趣味だそうだ。なんでやねん。


爺「さて、場所を変えましょうか」


キリの良いところで、おじいさんは切り出した。あいさつをしてからものの5分ほど。繊維くんは事前に聞いていたのか、素早く立ち上がり、使い古された感全開のショルダーバッグを肩に下げた。


爺「行くよ、喫茶店でお茶でも飲みながら話しましょ」


戸惑う私に、おじいさんは言った。