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【過去記事】
1 まさかのこんな場所でも、出会いはあったねん!
2 おじいさんたちの趣味:若人の出会いの仲介役?!
3 見知らぬ番号からの着信から始まった
4 『青年』を紹介される
5 占い師さんに男を紹介してもらう日






すでに憂鬱だった。


私は、オタク男子を嫌いなわけではない。でもこの人は……なんかさ。うしろ姿でわかるくらい、シャツもパンツもダボーッ、よれーっとしてて、不潔に感じてしまったねん……。


爺「お仕事ご苦労さま~、ここへ座んなさい」


おじいさんは立ち上がり、今まで自分が座っていた席へと私を促した。オタク系男子と向かい合う席。


席につき、オタク系男子の顔を初めて見た。


無表情のスピードワゴンの小沢をキツクした顔。なで肩かつ頭がすごく大きくて、何とも言えない迫力があった。あごには無精ひげが点々……そり残しが積み重なった結果なのか、長さがまばらでむしろ『こんなことできるん!』って感じやった。


爺「こちらは、藤田葉月さん。年齢は▲歳。職場は■■~……」


おじいさんは互いの紹介を始めた。ていうか私の情報を諳んじてた。すごい。


オタク系男子の情報は、フルネームを除いては、以前聞いた内容とほぼ同じだった。新大阪にある繊維関係のお堅い会社に勤めてる30歳、って。




しょーもないことかも知らんけど。この時も今も、すごく気になるねん。『繊維関係』って何なんやろうって。そんなさ、強みでもないやんか。公務員とか大手企業とかの人やったらアピールポイントになるんかもしらんで。でもなんでおじいちゃん、繊維をそんなに強調するんやろう……。謎。


ということで、この人のことは今後、『繊維くん』と書くことにする。