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【過去記事】
1 まさかのこんな場所でも、出会いはあったねん!


 




手相って書いてあったのに……。おじいさんは私の生年月日を聞き、占いを始めた。言われた内容はペラッペラ。こんなもんに3000円払うのかぁ〜って惜しくなるくらい!


しかもおじいさんは身の上話を始めたねん。定年を期に占い教室へと通い、65歳で占い師デビューをしたそう。それから3年、今は趣味としてお店を借り、占いをやっているんだとか。


そんなん……よけいに3000円払うの惜しいわ……ってかよう商売できてるな……って後悔の念に駆られた。けど、でもまぁ悪い人ではなさそうやったんで、これも経験!と、とりあえずこの場を楽しむことにした。


世間話をしているうちにふと、おじいさんは言った。


「うちは仲人みたいなこともしてましてね」
「僕だけでなくて、数人の仲間それぞれのお客さんを引き合わせたりしてますねん」
「独身男女で出会いがない〜って言うお客さんが多いから」


びっくりした。


「葉月さんは、どうでっしゃろ。合いそうな青年がいたら、連絡してもかまんかな?」


おじいさんは上目遣いで私を見た。ちょっと怖いと感じたけど、でも、邪気はなさそう。


葉月「いいんですか!」


おじいさんはにこりと笑い、大きな革のカバンから分厚い手帳を取り出し、指を舌でぺろっとやってページをめくり始めた。私が座ってるところからモロ見えるのだが、名前、住所、電話番号、特徴(50代とか……おじいちゃんからしたら青年なんか……)ってメモが乱雑に、でっかい字でいっぱい書いてあった。


占いで集めた個人情報……こんなんほんまにあるんか!


半信半疑やったけど、これも何かのご縁やと思って、私の名前と連絡先の電話番号を教えた。住所やアドレスは、怖いから、教えへんかった(´・ω・`)