恋人はもう長くいない。
7月に別れた人とは10か月ほど付き合った。精神的DVとまではいかないのかもしれない、私の感性がおかしいかもしれないからよくわからないけど、ただ少なくとも、精神的に落ち着いた人ではなく、ありとあらゆる些細な不満までものぶつけてくる人だった。言葉にせずとも良いことまで。そのことを、彼は思ったことをすべて言い合える良い関係と信じていたし、別れることなんて考えられないとまで言っていた。
不満の逆の言葉は何もなかった。
付き合いも半年を迎えるころにはもう辛くてよく泣いた。不満があるのは私が至らず仕方がないがつらい、せめてプラスのことばも同じ量にして、プラスのことがないのならあなたがわたしと付き合っている理由はないでしょう少なくとも私にはそうとしか思えないとよく言った。
その都度彼は謝罪した。自分が細かいせいだごめんなさい、そんなこと言わないで、中内で。
その繰り返し。コントかよ。何の生産性もない。
面白くだってない。
繰り返されるコントは新喜劇のようには続かなかった。私への気持ちがわからなくなってきた、嫌いではないけど好きかはわからない、だからこのまま付き合っていてよいのかわからないと展開してった。
別れようというと、別れたくないと1時間2時間3時間……。
私も揺れていた。何か変化が生じるかもしれないと思い、約1ヶ月間、私は彼にとびきり愛想よくした。私たちの関係は確かに良くなっていった。
それで私、燃え尽きたの。疲れてしまって。家に泊まりたいと言われて断った、恋人とはいえ私のことが好きであれば泊まっていけばよいけれど、私のことを好きかわからない人と一夜をともにするのは抵抗があると言った。
彼はそうだねって。また会おうって。
言葉はそうだったけど不機嫌でそれでもう、私はもう頑張れないと思った。
もう頑張れないと押し切って、最後は別れてもらった。彼は泣きながら承諾。「これで会えなくなるのは嫌だまたご飯にでも」「そうやね」なんて会話もあったけど以降音沙汰はなく。
何でお前が泣くんや泣きたいのはこっちや、なんてもう言葉にする余裕も何もなかった。疲れて。
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